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クロスボーダーM&Aで、世界一を目指したい

クロスボーダーM&Aで、世界一を目指したい

三菱商事での営業経験を経て、M&A総合研究所に入社した吉武さん。2023年からは海外事業部の立ち上げに参画し、現在はシンガポールを拠点に東南アジア全域を飛び回る日々を送っています。今回は、これまでの転機や海外での業務のリアル、そして未来への展望について伺いました。

海外展開を牽引する海外事業部の発足

─まずは海外事業部の特徴を教えていただきたいです。

海外事業部は、M&Aでの日本企業の海外進出や拠点拡充、さらに海外企業の日本進出を支援する部署です。2024年にはシンガポールオフィスも立ち上げ、弊社として力を注いでいる領域です。ありがたいことに、クロスボーダーM&Aのご相談も急増しており、現在は人員拡充の最中です。設立からまだ日は浅いですが、グローバルに通用する専門性を備えたM&Aチームが着実に育ってきていると感じています。

─海外事業部参加のきっかけは?

入社1年目に、代表の佐上さんや、当時新規事業開発を担当していた上長の岩沢さんから「海外に興味ありますか?」と聞かれたのがきっかけで、海外事業部の立ち上げメンバーになりました。まずは1年ほどかけて国内でトライアル部隊をつくり、2024年9月のシンガポールオフィス開設のタイミングから現地駐在しています。

オフィス

─前職での経験が、今のM&A業務にどう活きていると感じますか?

三菱商事では船舶のトレーディングに関わっていて、世界中の船主とやり取りしていました。当時、商社では8年目までに駐在を経験する制度があって、入社2年目のタイミングでギリシャのアテネに1年間駐在していました。業務内容は売り手と買い手の間に立って仲介する、いわばブローカー的な役割で、今のM&Aアドバイザーとかなり近いです。


当時から、新規顧客の開拓や、英語での契約交渉などにも携わっていたので、海外M&Aにおける営業力や交渉力、語学力の面では前職での経験が今も活きていると感じます。特にゼロから信頼関係を築いていく対人スキルは共通していますね。

東南アジアを舞台に挑む――グローバルM&Aのリアル

─現在の仕事のスタイルを教えてください

大体1週間はシンガポール、次の1週間は日本、そしてもう1週間は東南アジア諸国というサイクルです。インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピンと、各国を飛び回っています。シンガポールからはどの国も飛行機で2時間程度と、非常にアクセスが良いところがありがたいですね。


今はシンガポールオフィスから徒歩1分の場所に住んでいて、日本にいたときよりも効率よく時間を使えています。IM(企業概要書)の作成や資料準備などにもまとまった時間を投下できるようになり、結果として業務スピードも精度も上がったと感じています。ただシンガポール在住の友人がまだ少なく、飲みに行ったり遊びに行ったりすることが減ったので、働く時間はむしろ日本にいた頃より増えていますね(笑)。

─現地での生活や文化の違いはどう感じていますか?

シンガポールは非常に暮らしやすい国です。治安が良くて、交通機関が整っていて移動も楽、ごはんもおいしくて気軽に日本食を食べられるのも嬉しいポイントです。東京と比べて渋滞も少なく、物価の高さを除けば快適そのものです。休暇があれば気軽に他の東南アジアの国へ旅行できる点も魅力ですね。


多国籍国家なので、いろんな文化が交差しているのもいいところだと感じます。1つの街にいろんな国の生活スタイルがある感覚で、商習慣も国ごとに大きく異なります。対応する国の幅が広がったことで、文化面の柔軟さもより求められるようになりました。

プライベート

─クロスボーダーM&Aのやりがいや、大変さを感じる瞬間があれば教えてください。

最大のやりがいは、世界中の経営者と日々向き合えること。国内では出会えないようなビッグディールに関わるチャンスも多く、毎日が刺激的です。一方で、海外案件は業界構造や制度、会計基準が国ごとに異なるため、勉強の連続です。例えばベトナムでは三重帳簿があるケースもあって財務の透明性が日本よりも低いとか、フィリピンでは資本規制により100%株式を譲り受けられない業種もあるとか…ディールを進めながら学んでいく日々です。


また、譲受企業が英語を話せない場合は通訳として入り込むこともあり、業界の理解がないと会話の橋渡しができない。国内案件と比べて、1回の面談の疲労感は段違いです(笑)。

クロスボーダーM&Aで世界一へ

─今後の海外事業部の展望は?

目標は、中小企業のクロスボーダーM&Aで世界一を目指せる組織をつくることです。個人的には今後も拠点を増やしたいと思っていて、次はアメリカ西海岸、特にロサンゼルスに拠点を出せたらいいな、と考えています。アメリカは企業数が圧倒的に多くて、日本企業の進出ニーズも高い市場です。現在は人材育成中なので、ある程度の成果を出せた段階で派遣する構想を練っている最中です。


私自身はせっかく築いた人脈もありますし、引き続きアジアをメインに開拓していきたいですね。個人的にもアジアの文化や距離感が自分に合っていると感じているのも理由です。将来的には世界中に拠点を展開し、仲間がそれぞれの地で活躍できる環境を整えつつ、私はアジアを拠点に、地域ごとのM&Aをつなぐ役割を担っていけたらと思っています。

─グローバルな舞台を目指す人へのメッセージをお願いします。

営業が好きで語学に自信のある方なら、きっと活躍できるフィールドがあります。素直で前向きで、勉強熱心で、よく笑う。そんな方と一緒に、世界の中小企業M&Aを動かす存在になっていけたら嬉しいですね!