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飽きることのない日々と、変化を楽しむマネジメント─自身の経験から部下にフルコミットする本部長

飽きることのない日々と、変化を楽しむマネジメント
─自身の経験から部下にフルコミットする本部長

未経験で入社し、現在は本部長として30名の部下を率いる企業情報第十本部 本部長の中本さん。4年間を振り返ると「面白かった」と笑う中本さんですが、その裏には、未経験からのキャッチアップ、過密スケジュール、部下との信頼関係構築といった濃密な時間がある。プレーヤーからマネージャーへと立場が変わっても、「ありがとうを集めたい」という思いを軸に、理想の上司像を体現しようと奮闘する中本さんに、現在のやりがいや理想のマネジメントについて語っていただいた。 

止まらない成長、変わらぬ“ベタ付き”

──この4年間をひと言で表すと?

「しんどいけど、面白かった」です。毎日、新しいことを学んで吸収し続ける日々で、飽きる暇がなかったですね。特に自分自身の成長スピードと会社の成長が並走していたのも刺激的でした。常に求められることが増えて、達成したと思った瞬間に次の課題が来る。「M&A総研でいいや」ではなく「M&A総研がいい」と思える、しんどいけど面白い充実した4年間でしたね。 

──一番しんどかったのはいつ頃?

 2つあります。1つ目は未経験で入った当初。資料作成すらしたことがなかったので、文化そのものをキャッチアップするのが大変でした。もう1つは本部長になってから。今、部下が30人いるんですが、部下が10人ほどの時代と同じ“ベタ付き”スタイルを変えてないんです。だから働く量が単純に3倍。1ヶ月で約40件同行したこともあります。もはや芸能人のようなスケジュールです(笑)。 

中本さん2

守り、託し、引き上げる──中本流マネジメント哲学

──本部長体制になり、部下との関わり方はどう変わりましたか?

 変えてないからこそ大変なんです。でも、求められるのが好きなので、すごく楽しいですね。今のモチベーションのひとつは、部下から「ありがとう」と言ってくれること。プレーヤー時代は自己完結型の充実感でしたが、今は人の成果が自分のやりがいになってる。マネジメントの理想像は、本部30名の中で自分が一番弱くなること。全員が年間2億稼げるような人材になれば、僕が一番弱くなる。それが本部長の完成形ですね。

──理想のマネージャー像は?

 一社目の証券会社で出会った方が、僕の理想です。本店支店長を務めたのち、役員昇進を断って現場に残り、若手育成に尽力された方です。若手の提案を絶対に否定せず、「やってみよう」と後押ししてくれる一方で、危ないときはしっかり止める。そのスタンスに強く感銘を受けました。僕も部下には、自由にやらせながら安全を担保するマネジメントをしたいと思っています。

──本部長としてこだわっているところは?

 クレーム対応ですね。部下から「お客様を怒らせてしまった」と共有があったときは、すぐに同行して一緒に謝りに行っています。お客様の不満を真摯に受け止め、迅速に対応することで、信頼関係の再構築に努めます。お客様からしたら、ミスをしたときに担当上長がすぐに出てくることって信頼に繋がると思うんです。そして、部下にとっては、上司が責任を共に負い、守ってくれるという安心感に繋がります。この経験を通じて、部下は困難な状況でも一人ではないと感じ、次への一歩を踏み出す勇気を得られると信じています。

中本さん1

──若手に対して感じていることはありますか?

 毎月アドバイザリー契約を獲得している今の若手の方は、僕が若手だった頃より確実に優秀だと思います。今は市場環境が大きく変わっていて、競争率がどんどん高くなっている。その中で当時の僕たちと同じくらいのKPIを達成してるわけですから、当然すごいことなんですよ。当社の「完全成功報酬」という強みは変わっていませんが、同じような強みを打ち出す仲介会社は増えていて、お客様からの比較も厳しくなっています。そんな中で差別化できるのは、“提案の中身”しかありません。僕自身、会社の強みを前面に出すよりも、「この人、面白いこと教えてくれるな」と思ってもらえるような営業スタイルを意識してきましたし、それを部下たちにも伝えています。提案内容がしっかりしていないと、社長の心には刺さらない。むしろ「この人、うちの業界のこと本当に分かってるな」「今までのアドバイザーとはちょっと違うぞ」と感じてもらえるような提案じゃないと、契約にはつながらないと思います。

──成長に差がある部下への接し方は?

これも本部長体制になってから大きく変わった点です。以前は、個人の成果がより強く求められる傾向がありましたが、今は全員を平均ラインに引き上げる意識が根付きました。特に新卒には積極的に時間をかけるようにしています。本人が「時間を取ってもらうのが申し訳ない」と思っていたら、成長しない。こちらから踏み込んでサポートすることが大事なんです。 

──今の新卒メンバーはどうですか?

かわいいですね!即戦力もいれば、学生っぽさが残る子もいる。社会人としての基礎から教える必要があるけど、ポテンシャルは高い。年齢に干支1周分の差があるので、父のような気持ちです(笑)。彼らが持つ無限の可能性を引き出し、M&Aアドバイザーとして大きく羽ばたけるよう、一人ひとりの成長に真剣に向き合っていきたいと思っています。 

──チームリーダーとの関係性は?

私の本部には経験豊富なメンバーが多く在籍していて本当に助けられています。実務面の相談は「うちには生き字引きがいます」と紹介しているほど。彼らが各チームを自律的に運営してくれているおかげで、全体のマネジメントが回っています。 

求める・尊敬する人物像

──面接官もされていますが、採用で重視することは?

「弱みを正直に話せるかどうか」です。用意された答えではなく、自分の弱さを認めた上で、それにどう向き合っているかを素直に話せる人は、きっと成長するだろうと期待できます。面接対策で着飾ったような受け答えには惹かれませんね。

──社内で「敵わない」と思う人はいますか?

いますね。最近入社した若手のメンバーでも「敵わないな」と思うメンバーがいます。彼らは、お客様の課題を深く掘り下げ、的確な提案を行う「思考力」と、それを実行に移す「行動力」がずば抜けています。また、常に先を読み、周到に準備を進める「計画性」も持ち合わせています。自分より明らかに優秀だと思うので、同期じゃなくて本当によかったです(笑)。それぞれ営業への向き合い方や準備、実行力がすごい。あのレベルには敵わないなと素直に思います。